こじき

こじき
I
こじき【乞食】
〔古くは「こつじき」〕
金銭・食べ物などを人からもらって生きていくこと。 また, その者。 ものもらい。 おこも。

「争ふ所の車夫を見, ~する翁を見/欺かざるの記(独歩)」

~が馬を貰(モラ)う
身分不相応な物を貰ってもてあますことのたとえ。 乞食が馬を買ったよう。
~が米を零(コボ)したよう
わずかなことをおおげさに騒ぐことのたとえ。 また, 困っている人が, いっそう困窮の度を増すたとえ。
~に氏(ウジ)無し
乞食は, その者の心がけの悪さからなるのであって, 初めから乞食に生まれつくのではない。
~に朱椀(シユワン)
身分不相応な物を持つことのたとえ。
~に貧乏無し
乞食にまでおちぶれれば, それ以上貧乏になることはない。
~にも門出(カドデ)
乞食でも門出には祝い事をするように, どんな身分の者にも, それなりの儀式作法がある。
~の朝謡(アサウタイ)
乞食は, 普通の人なら働き始めの忙しい朝の時間にも謡をうたっていられる意。 乞食が常人よりもかえって気楽な境遇にあるということ。
~の系図話(ケイズバナシ)
乞食がおちぶれる以前の自分の系図について自慢話をする意。 言ってみたところではじまらない過去のぐち話を言うたとえ。
~の断食(ダンジキ)
しかたがなくてすることを, ことさら心がけてしたように殊勝げに言うことのたとえ。
~の嫁入り
乞食の花嫁は振袖など着られぬところから, 「振袖振らぬ」と「降りそうで降らぬ」をかけた洒落(シヤレ)。 雨が降りそうで降らないたとえ。
~も身祝(ミイワ)い
どんな身分の者でも, 祝うべきときにはそれ相応の祝いをするものだ。
~も三日すれば忘れられぬ
乞食は気楽なもので, 三日もやるとその味が忘れられなくなる。 悪習は染まりやすく, 改めるのは困難であることのたとえ。
~も身(ミ)づくろい
乞食でも, 相応に身だしなみに気を配る意。 粗末でも, それなりに身だしなみに心がけよというたとえ。
II
こじき【古事記】
歴史書。 三巻。 712年成立。 序文によれば, 天武天皇が稗田阿礼(ヒエダノアレ)に誦習(シヨウシユウ)させていた帝紀・旧辞を, 天武天皇の死後, 元明天皇の命を受けて太安万侶(オオノヤスマロ)が撰録したもの。 上巻は神代の物語, 中巻は神武天皇から応神天皇までの記事, 下巻は仁徳天皇から推古天皇までの記事が収められている。 現存する我が国最古の歴史書であり, 天皇統治の由来と王権による国家発展の歴史を説く。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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  • Фурукотофуми — Кодзики или Фурукотофуми (яп. 古事記 (こじき、ふることふみ), «Записи о деяниях древности») крупнейший памятник древнеяпонской литературы, один из первых письменных памятников, основная священная книга синтоистского троекнижия, включающего в себя помимо… …   Википедия

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